ZEH仕様の注文住宅を建てるメリット・デメリットとは?
環境にやさしいとされるZEH住宅が近年多く建てられています。しかし、具体的なメリットやデメリットはあまり知られていないのが実情です。そこで今回は、ZEH住宅の概要を明らかにし、そのうえでメリットおよびデメリットを明らかにします。ZEH使用の住宅に興味を持っている方は、ぜひじっくり読んでみてください。
そもそも「ZEH」とは?
ZEHとは、netZeroEnergyHouse(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略語であり、アネルギーの収支をゼロ以下にする、といった意味合いが持たれています。
簡単にいってしまえば、太陽光発電等でその家で作るエネルギーと消費エネルギーが一緒か、それ以下になる家ということです。
今後はトレンドになる可能性大のZEH住宅
ZEH住宅が注目されている理由に、住宅のエネルギー消費量の多さがあります。企業や工場もエネルギーを消費していますが、日本国内のエネルギー消費量の約14%を占めているのが住宅とされており(エネルギー白書より)、国全体の省エネを図るためには避けて通れないからです。
そもそもZEH住宅は住んでいる人にも恩恵をもたらすもので、電気料金等の引き下げも期待できます。コスト的な問題も内在していますが、徐々に解消されると考えられており、ZEH住宅は広まっていくことでしょう。
ZEH住宅には2つの種類あり
ZEH住宅には2種類あり、通常のZEHとZEH+(ゼッチプラス)と呼ばれるものがあります。
ZEHは断熱および省エネによる省エネルギー率が20%以上であり、「創エネ」(再生可能エネルギー)を含む省エネ率は100%とされます(寒冷地、低日射地域、多雪地域や都市部狭小地の二階建て以上は別途条件あり)。
ZEH+は断熱および省エネによる省エネルギー率が25%以上であり、「創エネ」(再生可能エネルギー)を含む省エネ率は100%とされtています。
さらに「断熱性能のさらなる強化」「HEMSにより太陽光発電等の発電量を把握し、住宅内の冷暖房、給湯設備等を制御可能」「太陽光発電など再生可能エネルギーシステムより電気自動車等に充電可能」のうち2項目以上のクリアが求められます。
ZEH仕様の注文住宅を建てるメリット
では、ZEH仕様の注文住宅を建てるとどのようなメリットがもたらされるのでしょうか。ここではとくに注目のプラス面を4つ紹介します。
補助金がもらえる
ZEH住宅は国の基準が設けられており、そちらをクリアすることで補助金の対象となります。
2022年の場合は、ZEHが1戸あたり55万円の補助金が出ます。ZEH+および次世代ZEH+は1戸あたり100万円、さらに上を行く次世代HEMSは1戸あたり112万円です。
ちなみに次世代ZEH+の条件は、ZEH+から、さらに蓄電システム、燃料電池などの再生可能エネルギーの自家消費拡大設備等を導入した住宅です。
次世代HEMSは次世代ZEH+から、さらに太陽光発電エネルギーの自家消費を拡大するために、AI・IoT技術等による最適制御が行われたものです。
光熱費が抑えられる
住宅にかかるランニングコストを抑えられるのも、ZEH住宅の大きなメリットの一つです。
太陽光発電システムを自宅に設置することで、電気代を低減できます。また売電することにより、一定の収入を得ることも可能です。
停電時も電気が使える
自身など天災により停電が長く続くこともあります。しかし、ZEH住宅では蓄電池が設置されていれば、太陽光発電でためた電気を家で使えるようになります。災害にも強い家、それがZEH住宅です。
資産価値が向上する
ZEH住宅は一般的な住宅と比較すると、太陽光発電を備えているなど設備面で優れています。
前述したようにエネルギーコストを抑えられるため、人気物件になる可能性もあるのです。高額で売却できる可能性も出てきます。
ZEH仕様の注文住宅を建てるデメリット
一方で、ZEH仕様の注文住宅を建てるとどのようなデメリットがあるのでしょうか。ここではとくに注目のマイナス面を3つ紹介します。
高コスト
最大のデメリットは、ZEH住宅のコストです。さまざまな設備を導入するため、一般的な住宅と比較すると導入コストがかかります。
省エネを達成するための設備、さらには太陽光発電システムに数百万円程度かかることもあり、結果として高額のローンを組むことにもなりかねません。前述のように一定の補助金は出ますが、初期費用に関してはある程度の覚悟が必要です。
屋根の形が自由に選べない
一般亭に太陽光発電は屋根に設置します。したがって、太陽光発電が設置しやすい屋根の形状にする必要があるため、屋根の形状や向きを自由に選べないのです。家の外観デザインにこだわりたい人にZEH住宅はあまり向いていません。
発電はそのときの天候次第
太陽光発電量は安定しません。その日の天候にもよるため、ほとんど発電できない日が出てくることもあります。
また、地域によっては曇りがちの日が多いところもあります。思っているほど発電できず、売電がうまくいかない可能性も少なからずあります。
季節によっても発電量が異なり、梅雨の時期や冬などはとくに期待できません。
まとめ
ZEH仕様の注文住宅を建てるメリット・デメリットを紹介しました。ZEH住宅は次世代型の住宅であり、環境にやさしい住宅として注目を集めています。
光熱費といった住宅にかかるランニングコストを抑えることも可能であり、自然だけではなくお財布にも優しい住宅といわれる時代も来るでしょう。
一方で初期費用が高く付くことも多く、ローンの契約に問題が生じることも考えられます。発電量も天候次第であり安定しないので、それらのマイナス面も把握したうえで導入するか検討してください。